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観た映画やドラマの感想をだらだらと語るだけの場所。 七日坊主なわたしの主観にまみれた駄文感想文。

RPG【ネタバレ有り】


<あらすじ>

 主人公エリックの兄は、RPGの世界観を現実で楽しむ為の大きなコミュニティに所属している。そのコミュニティでは参加者が王様や神官、戦士やエルフなどの職業になりきって、共通のルールのもと暮らす。

エリックの恋人エヴリンは、何度かエリックの兄に連れられRPGコミュニティへ参加するうちに、自分をお姫様扱いしてくれる世界観にどっぷり浸かってしまった。そんな彼女は現実社会に虚無感を覚えるようになってしまい、彼女を心配したエリックはPRGの世界から恋人を取り戻そうとコミュニティの門を叩く。
しかし、共通のルールを無視してエヴリンを連れ出そうとするエリックは狂信的な一部の参加者に敵視されて……――







<感想※ネタバレ含みます>



RPGコミュニティ中毒のビッチなエヴリンに振り回される男性陣を、ただ可哀想だなぁと思うだけの内容かと思ったら微妙に違いました。
「執着とルール」がテーマのような、主人公カップル自業自得バッドエンドのお話です。

感想:人って怖いですね。


この映画の重要人物は8名

・主人公エリック……恋人のエヴリンをRPGのコミュニティから連れ戻す為にコミュニティのルールを無視した行動を起こす。やっちゃいけないことをしてしまった人。

・恋人エヴリン(ビッチ)……RPGのコミュニティではワルキューレ役。やっぱり女の子はお姫様扱いされると嬉しいよね、よく分かります。敵陣の男性に色目を使ったり、恋人エリックに心動かされたり。女心と秋の空。加害者であり犠牲者でもある人。

・エリックの兄(コミュ中毒なバイキング役)……やっぱり弟は可愛いらしい。弟に協力してエヴリンを敵陣から連れ戻す作戦に参加する。お兄さん熱いです。最期まで役になりきっていた人。その語り口、そしてその背中はまさにバイキング。

・神官役(敵陣のリーダー)……エヴリンに執着するのは設定ですよね?と、時折確認してあげたくなる人。わかっちゃいるけど世界観に感化された心は恋の炎を巻き起こす。暴動の主犯。ヤンデレ気質でもあったんでしょうか。

・神官の部下役……神官けしかけるなよ。暴動と殺人の罪を神官役の男に押し付けられ事故処理されたっぽい人です。

・仲裁者役の女性(ストーリー展開の為の重要人物1)……主人公の力になりたいのは、恋?それともお節介?ちょっと強引にストーリー展開させてしまったが為に、取り返しの付かない事態を引き起こしてしまった原因の一人。

・仲裁者役の男性エルフ(ストーリー展開の為の重要人物2)……仲裁役の女性に押されて、ちょっと強引にストーリー展開させてしまった人。押しが弱いんでしょうが、同罪です。

・王様……散々腰抜けと作中なんども言われた人物。いざ出陣した際には、エヴリンに腹部をナイフで刺され血を流す事態に。最初の犠牲者。



序盤でコミュニティの世界観やルール、そして主人公の心情がざっくりと分かったので、「なるほど、それでどうなるの?」と興味持てたんですが、世界観把握してからは中だるみ。結局、何を伝えたかったのかよく分かりませんでした。誰が惨劇を引き起こす原因になったのかも明白でしたし、惨劇といっても、そのくだりのシーンは最後の20分ほどです。あんまりグロくない。ただ、主人公のお兄さんのぶれない姿勢はキャラが立ってて私はお兄さんのこと好きでした。


楽しむとするなら、出演者の衣装やRPGでよく使用されているだろう横文字が覚えられることぐらいです。


それにしても、あの終わり方はどうなのかと。
本来ならば十字架を背負わなきゃならない人は、もう居ない。そんなのズルイよ。




最終的に、主人公エリックは頭カチ割られて死んで、恋人のエヴリンは投身自殺。
コミュニティの王国の王様はエヴリンによってナイフで腹部を刺される事態(敵陣の策略なのでエヴリンに殺意はなかった)
主犯の男性(神官)は、弟の報復として主人公エリックの兄に鈍器で頭をカチ割られて死亡。

この騒動に巻き込まれ、残されたコミュニティの参加者はきっと重い十字架を背負って生きることになるのでしょう。


弟と同じように、お前も頭をカチ割られて死ねばいい」そう思ったんだろうお兄さんの気持ちだけはよく分かります。
それにしても兄によって殺された主犯の男(神官)が不憫です、本当に。ビッチに恋しなければ。エヴリンをあっさり手放してワルキューレの代役探せるぐらい気持ちに余裕があれば……いいや、代役なんて無理なんでしょうね。


狂信的な人間は何をするか分からない。
怖いお話でした。

世界観が崩れた責任が誰にあるかを問うようなシーンがありましたが、どう考えても主人公エリックだと思います。

主人公エリックがコミュニティに現れたのは恋人を救うためだというのは、よく分かります。

主人公がコミュニティに現れてから、参加者達に様々な心情の変化があって自発的にエリックに協力する人間が現れたり、あくまで世界観を再現する遊びをしているという事を忘れて暴走した人がいるわけだけれど、そんなことは原因の一つであるだけで。
何よりも、最初にコミュニティの世界観を崩してしまった主人公に責任があると思う。


例えるなら、サッカーの試合に両手使っちゃう奴が現れるようなものです。
そのまま試合が続行されて、両手使った側のチームが優勝したとかそういうレベル。

主人公にとっては、RPGのコミュニティなんて馬鹿馬鹿しかったかもしれないけれど、それは人の価値観であって彼らの世界を壊す権利はないわけで。
恋人を連れ戻したいなら、二人だけで解決するべきだったんですよね。
なんて言ったらそもそもストーリーが始まらないんだけれど。


郷に入れば郷に従え。
色々な地域から参加している人が居て、楽しんでる人達が居るなら、世界観大事にしないと。
興ざめしちゃうよ。

それで暴動まで発展するという……救いようがありませんね。


世界観を維持するための均衡が崩れ、殺人にまで発展してしまったサスペンス。

人の心理って複雑なものだなぁとも思いました。
現実と遊びの設定を混在させてしまったがゆえに始まる暴動と陵辱ってところでしょうか。


「君のためなら~中略~衣装だって着るし、ゴムの剣で戦うよ」

この台詞はシュールで面白かったです。

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